徹底抗戦

徹底抗戦

徹底抗戦

堀江さんの本が出たので2日で読んだ。
正直言って、ちょっとこの人子供っぽいな、と感じてしまった。結局のところ、宮内氏に社長として行うべき指示ができていなかったんじゃないか、あるいは、側近として不適切な人間を配置していただけなんじゃないか、という気がした。それを「自分は知らなかった」、「経営責任は認めるが刑事責任は認めない」といわれても、そうしたことが起きないように最大限の努力を払うのも社長の仕事なんじゃないかという気がした。あるいは「専門外だから」と人に任せるのなら、その相手はもっと慎重に選ぶべきだろうと思った。そして経営を任せるなら代表取締役の職を任せるとかを考えないといけないだろう。それを放棄して責任はないと言っても、企業の経営責任者として子供っぽすぎると感じた。
ただ、内容的にはこの人は嘘を言っていないと確信した。結局宮内氏らが主導でマネーゲームをした、というのが事の真相なんだろう、というのは両者の本を読んでいても良く分かる。このことはもっと報道されても良い。
「堀江は目立ちすぎたので逮捕されたが、理由は宮内のやっていたマネーゲームの罪である」というねじれ関係があるために、堀江氏は罪を認めるかどうかで悩み、結局は裁判で戦うことにした、そのねじれを解きほぐそうとこの本を書いている、ということだろう。そう考えると世の中理不尽だなという気持ちも湧く。
あとは本の内容だけど、この本の内容では堀江さんが「金融」とか「裁判」とか、自分の専門外の領域の話ばかりに終始していて、堀江さんの真骨頂である「時代の流れを見極めて事業を拡大した」というストーリーが全く出てこないために、何となく何も知らない無知な人であるかのような印象を受けるのが惜しい。こんな言い訳っぽい内容ばかりの本を書くよりも、真面目にライブドアの成長の軌跡を書いて、いかにインターネットの発展を目指して事業を行ってきたかを書けばよいのではないかという気がした。